Adobe Fireflyで画像生成して業務利用できるか試してみた
Adobe FireflyはAdobe社の画像生成AIサービスです。
商用利用に特化した画像生成AIということなので、著作権を考慮した上でAIの生成した画像が利用できるようになります。
プライベートベータ版が利用可能になったので早速利用してみました。時々比較用にMidjourneyで画像を生成しております。
ちなみにAdobe Firefly、Midjourney共に英語でプロンプトを書く必要があります(私は各翻訳サイトのお世話になっていますので、たまに違和感ある英語プロンプトを使用しているかもしれません…ご了承ください)
人物の画像を生成してみる
少ないプロンプトで人物画像を生成
人物は見た目が自然でも、ヘアースタイルや微妙な表情などで国の違いが出ます。同じアジア系だけど何となく日本人ではないというのがわかる人も多いと思います。まずはざっくりとした指示で写真を依頼してみました。
Japanese girl, 7 years old
Adobe Fireflyは…
一昔前のCGのような仕上がりです。
続いてMidjourneyです。
着物着てますが、表情は自然で日本人っぽさがあり年齢も7歳っぽい!次は長いプロンプトから画像生成をお願いしてみます。
多めのプロンプトで人物画像を生成
Japanese girl, 7 years old, wearing T-shirt , in the park , smiling ,upper body , have juice box
より条件を増やして「日本人でTシャツを着ている7歳の女の子が公園でジュースを飲んでいる」写真をAdobe Fireflyにお願いしました。すると出てきた写真がこれです。
先ほどCG画のような画像からかなり理想に近づきました。どうやらプロンプトを追加するとグッとクオリティが上がるようです。
しかもあらかじめ用意されている構成ならばプロンプトを逐一送らなくていいので「上から撮影」「広角」などの指定がワンタッチで可能です。試しに「下から撮影」に変えてみました。
自然な煽り構図になりました。アスペクト比を変えることも可能です。
16:9にすると背景や人物にやや怪しいところが増えた気がしますが、いい感じの画像を生成してくれます。写真素材を探さずに作るという選択肢が生まれそうですね!
比較用にMidjourneyの生成写真を載せます。背景や人物は自然ですが、構図がワンパターンですね。Adobe Fireflyは指示しなくても構図や人物のポーズが異なる4画像を提案をしてくれる点が発想を膨らませてくれるのでいいなと思いました。
そしてAdobe Fireflyはスタイルとカラーをボタンで変更が可能です。白黒で鉛筆画を選択すればラフスケッチのようなものを作ることも可能です。
物撮り画像を生成してみる
かつて菓子会社に在籍していて、商品カットをカメラマンに撮ってもらうという仕事をしていました。
商品カットのラフなどをAI画像で生成できるといいかもと思い、お願いしてみました。
photo , white round bun served on black lacquerware , japanese , nearby Japanese purple iris flowers , The background is a dark blue gradient
「黒い漆器に盛った丸い饅頭、近くに菖蒲の花、ダークブルーのグラデーションがかかった背景」という指示です。
さあ、それぞれの画像がどちらのAIツールで生成されたものかわかりますか?
左がAdobe Fireflyで右がMidjourneyでした。わかりましたか?
Adobe Fireflyの筋の良さを感じますね。物撮りでも構図の違いを出してくれています。自社商品に差し替えられたらそのまま商品カットに使えそうです。
UI画面を生成してみる
UI画面生成も試してみました。Adobe Fireflyは細かくプロンプトを指定すれば良いかと思っておりましたが…
色々試しましたが、同じような画像になります。実画面のアイデアとして採用するには少し厳しいかもしれません。
同じプロンプトでMidjourneyに生成してもらいました。各所で公表されているので周知かと思いますが、それっぽい画面を出してくれます。もちろん手を加える必要はありますが、画面デザインのアイデアラフとしてはいいなと思いました。
ちなみに掲載した画像のプロンプトは以下です。
iOS diet app mockup ,primary color #DE5D83, Elements to include in the screen image:
1. Goal setting and progress display
2. Exercise and meal logging features
実はカラーの指定プロンプトも色々入れてみましたが、うまく反映できませんでした(単純なpinkとかyellowの単語だと反映してもらえますが、16進数のカラーコードを入れても反映できませんでした) まだ細かいプロンプトを反映したUI画面を生成することは難しそうですが、ここ数日のAIのスピード感からすると時間の問題ですね。
Adobe Fireflyのこれから
今後Adobe Fireflyはより便利な機能をリリース予定(※動画)のようです。
動画を見て特に私が期待している機能は以下です。
- デザインテンプレートを簡単に生成できる上にメインビジュアルを好きな写真に差し替えられる
- チャット形式で前のプロンプトを記憶した状態で画像生成ができる(ChatGPTの画像生成版)
- 生成した画像をベクターで出力できる
- 解像度の低い画像の解像度を高くできる
Adobe Fireflyを試してみたい方はウェイティングリストへ登録してみてください。
さいごに
画像生成AIサービスを使い比べてみて、それぞれの得意分野が見えてきました。イメージカットのラフ作成や素材写真に頼っていた部分での画像生成にはAdobe Firerlyがうまく利用できそうです。一方Midjourneyは短いプロンプトでも絵として成立する、それらしい画像を出せるのが長所ですね。今後もアップデートやプロンプトの工夫でデザイナーの業務利用への道を探っていきます。
追伸:アイキャッチ画像はAdobe FireflyのText Effect機能で文字に装飾しました。